メガネフレームは大切に使うと、10年くらい持つ場合が多いです。
そのため、フレームを生かしてレンズを交換して欲しいと来店される方も、意外と多かったりします。
持ち込みのメガネを見ることは、自店に無いフレームを見れる機会ですし、
メガネの作り方などを勉強する意味で良い経験になります。
そういったメガネの中で、「これは酷い」と思うメガネが時々あります。
今回持ち込まれたメガネも、使っている人の眼が心配になるレベルのモノでした。
丁度良い機会なので、紹介してみます。
メガネの仕上がりを見るときに、注意する点としてレンズの歪みがあります。
フレームにレンズを入れた際、レンズが若干大きい状態で無理やりフレームに押し込めると
レンズに余計な負荷がかかり、レンズが歪みます。
メガネはレンズを挟み込む構造の為、多少はこの歪みが出ないと緩くてレンズが外れる原因となってしまうので、特殊なレンズを除き、若干出てしまうのは許容範囲になります。
しかし、許容範囲を超える歪みが発生すると、たとえ同じ度数で作られたメガネでも
「酔ったように見える」「景色が歪む」「気持ち悪くなる」「頭が痛くなる」など
様々な症状が出てしまうことがあります。
レンズが歪んでいる状態を大よそ体験して見るなら、透明な下敷きを捻って景色を見てみると
分かりやすいかも知れません。景色が歪んで見えると思います。
では、酷く歪んだレンズがどうなっているのか、見てみましょう。
これはレンズの歪みを確認するのに使う、「歪み計」です。
加工の仕上げに、毎回レンズの歪みが適切か確認しています。
これに持ち込まれたフレームを翳して見ると・・・
レンズをフレームから外しても、もはや戻りません。 |
右も左も、物凄い歪みが!
おそらく、レンズが大きいままネジで締め上げたんでしょうね。
フレームカーブも直した形跡がなく、レンズカーブもフレームカーブに合っていないのも
ここまで大きな歪みが出た原因かと思われます。
長期間、無理な力が加わりすぎた為、フレームからレンズを外しても
レンズ自体に癖がついてしまい、歪みが取れない・・・
ここまで酷いものは滅多に見かけません。
参考に、新しく作ったメガネの歪みはこんな感じです。
部屋の蛍光灯をレンズに反射させてみると・・・
歪みが無くなるだけでも、見え方がよくなるので、
新しいメガネを掛けたお客様の反応がちょっと楽しみです。
新しいメガネを掛けたお客様の反応がちょっと楽しみです。
鴨居店 ヒキン