フォロプターの分解整備を行った時のお話

殆どのメガネ屋さんが度数を測るのに使っている機械を、フォロプターと言います。

このフォロプターですが、現在の主流は主に電動式です。
昔ながらの手動式のフォロプターを使っているメガネ屋は、あまり無いでしょうね。
メガネの中村にも、鴨居店、中山店に昔使っていた手動式のフォロプターが置いてありますが、
現在はエースの座を電動式のフォロプターに奪われています。
と言っても現役から引退した訳ではなく、手動式のほうが両眼視機能検査に有利な場合もあり、
時々出番があります。特に輻輳開散力検査では滑らかに正確な数値が出せるので重宝します。

この手動式フォロプターですが、やはり道具の運命というか年月と共に調子が悪くなり、
レンズが曇り、ついには動きがおかしくなって用を成さなくなったことがあります。
特に、鴨居店にあったフォロプターはアメリカンオプティカルカンパニー製(略してA.O)
今の電動式を含めたテスターの祖を作った会社で、
現存する世界最古の眼鏡メーカーのフォロプターでした。
製造年月日は分かりませんが、少なくても30年以上昔の物で、メーカーで修理するより
最新式を買ったほうがいろいろ安く上がりそうな予感がヒシヒシ感じられる一品です。

その後、捨てるよりはダメ元で分解整備してみるかという話になり、
上司の伝手で当時、眼鏡学校の講師だった鈴木先生に分解整備を教えて頂きました。

分解するフォロプター
六角レンチも3~4種類使い分けてばらしていきます。
部品が一個でも無くなったらアウトなので、慎重にやります。
古い油を無水アルコールやベンジンで丁寧に拭き落とします。
部屋の喚起を十分にしないと、とても危険です。
所々で注意点などを教わってます。
部品点数は数百を越える為、混ざらないように仕切っています。
もう一台、調子の悪いフォロプターも教わりながら分解整備しました。
自分でやると、本当に大変だと良く分かります。

長い時間いろいろ教えて頂いた鈴木先生には、大変感謝しております。

あれ以来、幸いなことにフォロプターの調子が良い状態で使えています。
次回調子が悪くなったら、当時教わった時のメモと写真を参考に、
分解整備をしてみたいと思います。
鴨居店 ヒキン
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