近年、パソコン・スマホを使う方が気になるブルーライトカット。
光を出す媒体の液晶画面などを長時間、見続けることによって疲弊する眼の負担を
ブルーライトカットで軽減出来ると言われています。
ブルーライトとは
可視光線の中の一部
私たちが見ている「光」は、粒子や波など様々な性質で表現されます。
ブルーライトは、光を「波」の性質で考えた場合の考え方です。
波同士の間隔(波長)は、その間隔が短いほどエネルギーが強く、
γ(ガンマ)線、X線、紫外線、可視光線、赤外線、電波、これらは全て光の波の一種です。
人間の眼は約350nm~800nmの波長を透過します。
そのうち眼に見える波を「可視光線(380nm~750nm)」と言い、
特に350nm~500nmの紫・青の光は強いエネルギーを持っており、眼に影響を及ぼす言われています。
(眼に見えない波で波長の短いものを「紫外線(200nm~380nm)」波長の長いものを「赤外線(750nm~)」と言います。)
この範囲を「ブルーライト領域」と呼ぶことが多く、この領域を減光する製品をブルーライトカットと言うようです。
ブルーライトは、ドライアイ・目のかすみなどの症状を起こしたり、肩こり・頭痛などの一因になるとも言われています。
ブルーライトは悪い光なのか?
そんなに強い光ならば、全部カットしてしまえば良いのでは?
と、思うのですが青色の光を全部カットしてしまうと、信号が見分けられない・物の色味が変わってしまう、などの影響が出てきます。
また、青色の光は、睡眠に入りやすい物質の分泌を促進する役割・体内時計を整えるという役割がありますので、ある程度は見えるようにしておく必要があります。
デジタル機器が出る前は自然に適度な量の青色の光を浴びていたのですが、最近のデジタル化で過剰になって来たのでは無いかと思います。
ブルーライトは危険?その影響と特徴について徹底解説https://www.g-square.biz/2816/
ブルーライトカットの効果と影響
眼への負担が減る
エネルギーの強い光のため、ドライアイ・目のかすみなどの症状を起こしたり、肩こり・頭痛などの一因になるとも言われています。
青色の光を軽減することに症状の改善が見込めます。
物が見やすくなる
光は波長によって、焦点を結ぶ距離が異なり、赤色の光が網膜上に焦点を結ぶとき、青色の光は網膜の手前に焦点を結びます。
僅かな焦点の位置の違いですが、その影響で少し像のボヤケが起きます。
青色光を軽減することで焦点距離の差が小さくなり、ボヤケが減少し、物が見やすくなります。
レンズが無色では無くなる
後述でレンズサンプルをご紹介しますが、現在の技術では青色の光をレンズコーティングで表面反射させます。
反射させる影響で、レンズ自体が若干ですが黄色みを帯びます。
色の見え方が変わるのが違和感のある方や、色をシビアに判別しなければいけない方にはオススメしません。
気にならない方は、メリットの方が大きいのでは無いでしょうか。
レンズ制作時にオプション加工で対応
レンズ製作上、現在お使いのレンズに後からコーティングを施すことは出来ません。
新しくメガネを作成する際に、オプション加工としてお選びいただけます。
また、ブルーライトカットコーティングには、青色の光カット以外に、防傷コート、帯電防止コート、裏面反射UVカットコートが標準装備されており、それぞれのオプションを1つずつ付加するよりもお得です。
特に、東海光学(株)の「ブルーライトダメージコントロール」は、レンズが大分黄色くなりますが、
ブルーライトカット性能はとても良いです。
更に、近赤外線カットなど色々付いてます。
コーティングについてまとめたブログはこちら
様々なニーズにお応えするレンズコーティングまとめ(各ブログへのリンク)https://nakamuramegane.co.jp/?p=102156
メーカーHP
東海光学・BCC/TBC:https://www.tokaiopt.jp/product/bcc/
東海光学・ブルーライトダメージコントロール:https://www.tokaiopt.jp/product/bdc/
HOYA:https://www.vc.hoya.co.jp/products/venusguardcoat/#detail_type02
レンズサンプル
「BCC」:東海光学(株)
「ヴィーナスガードコートラピス」:HOYA(株)
2社を並べて比較
左:HOYA(株)、右:東海光学(株)
表面の見え方は、ほとんど差が無いように思います。
実際にメガネとして作成すると…
カラー染色:フェアブラウン15%グラデーション+BCCコーティング(999.9 M-161)
通常だとBCCは目立ちませんが…
光を当てると青色光を反射し、レンズ反射光が青や紫色になります。
実際どのくらいカットするのか?
店内にある色々な物を使って試してみました。
①ブルーライトを発生させるレーザーポインター(405nm±10)
②HOYA(株):ヴィーナスコートラピス
③東海光学(株):ルティーナレンズ(眼病対策レンズ・加齢黄斑変性症などに対応)
④9.999サングラス:濃度87%
⑤一般的な染色レンズ:スレートグレー75%フルカラー
減光効果を見てみます。
①直接当てました |
まず②HOYA(株):ヴィーナスコートラピス
少し減光したかな?と思う程度です。
が、反射効果がありブルーライトが対角線上に反射していました。 |
③東海光学(株):ルティーナレンズ(眼病対策レンズ・加齢黄斑変性症などに対応)
さすが高付加価値レンズ。顕著にカットしてるのが分かりました。 |
④9.999サングラス:濃度87%
濃度87%は流石に減光効果が高いです。 |
⑤一般的な染色レンズ:スレートグレー75%フルカラー
75%だと、上記の濃度87%よりやはり透過します。 |
減光効果は、⑤⑥のように濃度濃い方が効果が高く、もちろん青色光も一緒に減光されます。
ただ、ほかの光も減光してしまうのでPC用には不向きです。
ルティーナも優秀な減光効果がありました。レンズのカラーは若干黄緑色になります。。
オススメは、ルティーナレンズでブルーカット+カラーを10%ほど入れて眩しさ軽減と眼を保護するのが良いかと思います。
もう少し色が濃くてもOKな方は、フィールカラーがオススメです。
ルティーナについてはこちらhttps://nakamuramegane.co.jp/?p=100697
カラーを入れるという選択肢も
青色光より直接的に眩しさを感じるのは、500nm~600nmの可視光線の為、
「PC画面が眩しい」と感じる人はPC用カラーレンズを入れたほうが効果がある場合も有ります。
その際は、色味の変化・画面が暗く感じないか、などをご確認下さい。
お子さまのブルーライトカット眼鏡装用への慎重意見
お子様へのブルーライトカット眼鏡装用については、
日本眼科学会を含む計6団体が連名で、「慎重に検討すべき」との文書が発表されています。
リンクを作成しましたので、ご一読ください。
「小児のブルーライトカット眼鏡装用に対する慎重意見」令和3年4月14日付
https://www.gankaikai.or.jp/info/20210414_bluelight.pdf
眼精疲労の原因はブルーライト以外にも
ブルーライトカットをしているのに眼が疲れるという方は、そもそもメガネの度数が、目的距離と合っていない可能性があります。
遠く用のメガネで長時間近距離を見続けると眼の筋肉が疲弊して、ボヤケ・疲れ・眼の痛みが起きる事も。
遠くが良く見える眼鏡が一番良い、という訳ではありません。
眼鏡はレンズで見たい対象物へ焦点を合わせるもの。
1日の中でどの距離を一番長い時間ご覧になるのかによって必要な度数は変わってきます。
特に調節力(ピント調節機能)が徐々に低下する世代の方は、20代の頃のように1本の眼鏡でどこも見えて快適!という訳には行きません。
目的距離ごとに合わせたメガネの掛け替え(複数所持)や、遠近両用・中近両用のような累進多焦点タイプレンズを使う事で眼精疲労軽減が出来る可能性が有ります。
また、見えにくさには何らかの眼病が隠れている場合も否めません。
久しく眼科に行ってらっしゃらない方は、一度眼科で「メガネを変えれば改善するのか?」を診ていただく事もオススメします。
ブルーライトカットグラス(度無し)
既製品のブルーライトカットグラス(度無し)も有ります。
大人用1サイズで、3色(ブラック・グレー・レッド)展開です。
¥4,180(税込)
上記で「お子さまのブルーライトカット眼鏡装用への慎重意見」のお話をしておきながらですが、お子さま用の製品も有ります。
大人用と同じく1サイズで2色(ブルー・ピンク)展開、小顔の大人の方におススメです。
お子さま用は、お取り寄せ商品です。