今ではほとんどのメガネレンズに標準装備されている、撥水コート。
今回はこの撥水コートについて書いてみようと思います。
撥水というくらいなので、簡単に言うと水をはじきます。
水以外にも、油分や汚れといった水溶性なものまで一緒に付き辛くする効果があり、
メガネレンズが皮脂などで曇った際に簡単に拭き落とせるようになってます。
では、その効果を見てみましょう。
左が撥水コート付き、右が撥水コート無しのレンズに、油性ペンで模様を書いて見ます。
撥水コートが付いているものは、油をはじいて水玉になります。
この状態で一度カラ拭きをするとこんな感じ。
簡単に汚れが落ちてきて、数回拭き取るとこうなります。
ほとんど油性ペンが付いていたと分からないレベルで綺麗になりました。
では、撥水コートが付いていないレンズだとどうなるのかやってみます。
油性ペンのインクはそのままレンズに付着してます。
撥水コートのように水玉にはなりません。
何度もカラ拭きしてみましたが、まったく汚れは落ちませんでした。
このように、撥水コートは汚れを付き辛くする効果が非常に高く有益です。
ここからが本題ですが、最初は汚れが綺麗に落とせていたメガネが、数年使っているうちになかなか汚れが拭き落とし難くなったという経験はないでしょうか?
レンズコーティングは非常に薄く表面に密着しています。
撥水コートを始め、防傷コートやブルーカットコートなども、同じように表面に薄く乗っかっているコーティングの一種です。
非常に薄い為、普段の手入れで洗って拭いたりしていると、磨耗して更に薄くなっていきます。
通常使用で大体3年ほどで、かなり磨耗して効果が落ちてくると言われています。
レンズにキズが無くても、汚れが落ち難くなったなどが出てきたらコーティングの磨耗が原因です。
コーディングは後付したりして復活させることは出来ませんので、コートの磨耗が大きい場合は
ある意味レンズの寿命が来たと思って貰うと良いかも知れません。
レンズを長持ちさせる秘訣を載せておくとすれば、水洗いを心掛けることと、過度に拭かないことです。
一日1回レンズを拭く人と、10回拭く人だとコーティングの寿命が数倍変わってきます。
カラ拭きすると埃でレンズに傷を付けるリスクが高まる為、水洗いしてから拭いて下さい。
ほんのちょっとの心掛けでレンズの寿命が変わってきます。
愛着があるメガネを長く使う為の参考にしてみて下さい。
鴨居店 ヒキン