先日、お客様より「趣味でカメラをやるが、色味が変わらないメガネは無いか?」と相談を受けました。
元々眩しさに弱かったそうですが、白内障術後からより眩しさに弱くなってしまったそうです。
通常カラーだと眩しさが抑えられる代わりに色彩が変わってしまい、正しく色を認識出来ずに困ってしまったとのことで色々探して見た結果、いくつか候補が挙がりました。
※通常レンズのカラーだと、カラーによって分光透過曲線がバラバラです。
波長にムラがあるということは、簡単にいうと通す色と通さない色があるということだと思うと分かり易いかも知れません。
もっとも均等に落としているトゥルーグレイでも曲線は波打っています。
まずはタレックス 代表:トゥルービュー
国際特許を取ったトゥルビューを始め、ピースグレーやモアイグレーなど色味を変えにくいレンズを作っています。
トゥルービューの分光透過曲線を見れが、均等に光を落としていることが分かります。
しかし今回は偏光レンズが液晶に干渉することや、トゥルビューだと暗くピースグレーだと赤色の波長が取り切れずに若干色味が変化してしまうとのことで選択肢から外れました。
モアイグレーは最後まで悩みましたが、やはり偏光が入ることがネックになってしまいました。
次にNCCコート (ニュートラルカラーコート)
東海光学さんが5月に発売を開始していた、カメラのNDフィルター技術を応用しているコーティングのようです。
※ NDフィルターとは、ニュートラル・デンシティーフィルターの略語。
視界の光を均等に吸収し、色彩はそのままに光の量のみを減少させます。
正直、こんなレンズが発売されていることをまったく知りませんでした(汗
分光透過曲線を見る限り、発売されているカラーレンズの中でもっとも均等に光を落とす効果があります。
色はグレイのみでダーク(約50%カット)、ライト(約20%カット)
デメリットはガラスなどに使うコーティングの為か、硬い1.76素材でないとコーティングが付けれず、基本の価格が高くなってしまいます。
また染色と違いコーティングの為、深い傷などが付くとその場所はカラーが取れることが予想されます。
ただし、傷が一番付きにくいMSC(マックスシールドコート)が標準でついてくるようなので、拭き傷などにはそこまで心配せずとも大丈夫だと思います。
早速お客様に紹介した所、ライトとグレー両方ご注文頂きました。
ライトは写真を撮る前にお渡ししてしまった為、ダークのほうを載せておきます。
コーティングの為か、反射光が少し白くギラついて見えます。
濃度は一般的な染色タイプの50%と比べ、薄く感じます。
レンズを通して景色を見ると、確かに色味の変化をほとんど感じずに眩しさが抑えられているように見えますね。
このレンズでメガネを作成するとこんな感じに仕上がります。
濃度50%で作ると、反射光のギラツキがRMC(リメンマルチコート)のようになって、サングラス感が増して格好良くなるのでオススメです。
実際、お客様に感想を聞くと「かなり楽、ぜんぜん違う」とのコメントを頂いています。
眩しさに弱いが、仕事や趣味の関係で色味の変化を最小限にしたいといったご要望にはこちらのレンズをオススメします。
興味がある方はご相談下さい。
ご来店をお待ちしております。
鴨居店 ヒキン