未だマスク生活に終わりが見えませんね。
コロナ禍のメガネ業界で一番売れた商品は「くもり止め」です。
そんな中、お客さまから「曇らないレンズってないの?」と聞かれます。
答えは…「有ります」。
「何もせずに曇りにくい」と言う夢のようなレンズが。
便利なレンズですが、とてもデリケートです。
レンズの曇りとは
まず、なぜレンズが曇るのか?
気温差によって、空気中の水分が細かい水滴となりレンズ表面に付着します。
その水滴の中で光が乱反射し、レンズが白くなるのです。
曇りにくいレンズとは
当社で取り扱いしている「曇りにくいレンズ」とは、数年前に発売された、東海光学(株)の「メンテナンスフリーコート」です。
(屈折率1.60素材のプラスチック製レンズのみ対応)
レンズ表面に特殊なコーティングを施し、水分をレンズ表面で吸収し、曇りにくくします。
その名の通り、何もしなくても曇らない(曇りにくい)です。
東海光学㈱のページはこちら
https://www.tokaiopt.jp/product/mfc/
注意点
「それ最高!欲しい!」とお思いになる方へ。
このレンズはとてもデリケートで、一般的なレンズに比べて注意点がいくつか有ります。
①使用環境によっては曇りが発生します。
急激な寒暖差や、蒸気が当たった時などは瞬間的に少し曇る事があります。
(他のレンズに比べると、曇りが消えるのは早いです。)
②レンズ表面がとてもデリケートです。
特に固い塵・埃等がついた場合は、お手入れに注意が必要です。
メガネ拭きやティッシュなどで直接空拭きするのは避け、水で塵・埃等を洗い流し、水分を十分拭き取って下さい。
③レンズの黄変(黄色くなる)が少し早く始まります。
一般的なプラスチック製レンズでも起きる経年変化ですが、他のレンズに比べて変化の始まる時期が早いです。
④曇りにくい効果の持続年数はおよそ1年弱です。
表面がデリケートであるが故に、前述の特殊なコーティングが傷みやすく耐用年数が短いです。
※2021年改良により従来品よりも若干表面が強くなったそうですが、それでも通常のレンズと比べると繊細です。
⑤曇りにくい効果が弱ってきた後に、市販の曇り止めを塗布しても効果は得られません。
一般的なレンズと表面加工が異なるために、曇り止めの薬剤が上手く作用しません。
⑥遠近両用と、単焦点、それぞれ1種類ずつしかレンズを作製しておりません。
スタンダード設計のレンズ各1種類ずつのみお取扱いしています。
⑦薄型素材しかないので、お度数がある方は厚くなる、または製作出来ない事があります。
現在、屈折率1.60素材のみ対応しています。
お度数やフレームサイズによってはレンズ製作範囲外になる事もあります。
お客さまには、使用期間が短い事をご了承頂いた上で、ご購入いただいております。
レンズ表面の違い
レンズの表面が他のレンズと違うということは、表面の見栄えも変わって来ます。
撥水コート(水切れが良いコート)のみ付いていて、ハードマルチコート(レンズ表面固くするコート)とマルチコート(反射防止コート)がついていません。
写真の真ん中がクモランレンズ(メンテナンスフリーコートの旧名称)です。
写真ではわかりづらいですが、クモランは反射防止コートが無いので他のレンズよりチラツキが有ります。
花粉症メガネに
このメンテナンスフリーコートを花粉症の度付きレンズとしても販売しています。
詳細は、こちらのブログの「度付きにするには」をご覧ください。
https://nakamuramegane.co.jp/?p=99389
まとめブログ
傷が付きにくいだけじゃない!色々なニーズにお応えするレンズコーティングまとめ(各ブログへのリンク)を作成しました。
よろしければご覧ください。