ナイロールフレームへのこだわりポイント 「糸」

下に枠が無いメガネを整備していて、よく聞かれるのは、「え!そんな簡単にレンズが外れるの?」という言葉です。
メガネ屋は慣れているので、簡単に外しているように見えますが、普段使いではまず外れません。
しかし、枠が全部あるメガネと違って糸で釣っているので数年使うと糸が伸びて外れる危険が出てきます。その為、年数を使ったら糸張り替えるなどの整備が必要です。

ナイロールフレーム
レンズに溝を切って、糸で釣っています。
糸からレンズを外した所

この時使う糸は、一般的にナイロンで出来た釣り糸です。
ほとんどのメガネは10号糸で作れるように規格が統一されています。

当店は様々な見えない所の「こだわり」がありますが、その一つに糸の種類があります。
メガネのナカムラでは、全店でフロロカーボン製のシーガーエースを使っています。

シーガーエース 定価4200円也

釣りに詳しい方なら知っているかも知れませんが、釣り糸にも様々な種類があります。
代表的なもので PEライン、ナイロン、フロロカーボン なんて種類が有名ですね。

簡単に特徴を書くと
PEライン : とても高価 高耐久性 糸が非常に伸びにくい 摩擦に弱い
ナイロン : 非常に安価 糸がよく伸びる 紫外線に弱く、吸水性が高いので劣化が早い
フロロカーボン : 高価 糸がやや伸びる 高耐久性 一旦キズが入ると切れ易い

釣りと違い、メガネの糸は何年も引っ張られた状態で使用することを前提として考えます。
そうすると、安価ですがナイロンは耐久性が悪く選択視に入りません。
PEは一度張ってしまえば最高ですが、伸びないので最初の張りと、その後の整備の手入れでレンズが欠ける危険があります。
その点フロロカーボンは傷に強く、耐久性があり、多少伸びるというメガネの糸に必要なメリットを全て兼ね備えています。唯一、切れ込みが入ると切れ易いというデメリットがありますが、
そもそもメガネに一度張ってしまえば切れ込みが入ることがほぼ無いので無視できます。
多少高価ですが、長持ちはすればするほどよいのでこちらを使っています。

 

たった糸一本でも、その後の持ちが変わってきます。

メガネのなかむらでは、各自が様々なこだわりを持ってメガネを作っています。
たとえ人目に付かなくても、そうすることでメガネが良い状態に仕上がるからです。
これからも、より良いメガネを提供できるように、新しいこだわりポイントを探して行きたいと思います。

鴨居店 ヒキン

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